締めの時期にいちばん時間を取られるのは、集計そのものより「打刻が抜けている人を見つけて、本人に確認して、代わりに直す」という往復ではないでしょうか。この作業は、従業員本人からの修正申請に置き換えられます。この記事では、従来のやり方との違い、申請から承認までの流れ、そして修正した記録がきちんと残る仕組みを解説します。

代理入力のどこに時間がかかるのか

打刻漏れの対応は、実際には次の5つの作業に分かれています。

  1. 集計結果を見て、時刻が欠けている日を見つける
  2. 誰のどの日かを特定して、本人に連絡する
  3. 本人の返事を待つ(その日のうちに返ってこないこともある)
  4. 聞いた時刻を担当者が入力する
  5. 直した内容をメモや別表に控えておく

時間がかかるのは1と4ではなく、3の待ち時間です。10人に連絡して全員から返事をもらうまで、締め作業が止まります。人数が増えるほど、この待ちが直列に積み上がります。

修正申請に置き換えると何が変わるか

工程 担当者が代理入力する場合 本人が申請する場合
欠けている日を見つける 担当者が探す 本人が自分の画面で気づく
正しい時刻の確認 連絡して返事を待つ 待ちが発生しない
入力 担当者が代わりに入力 本人が申請内容として入力
担当者の作業 探す・聞く・待つ・直す・控える 内容を見て承認する
根拠の記録 メモや口頭になりがち 申請内容と承認がデータで残る

担当者の作業は5工程から1工程になります。待ち時間も、担当者が抱えるのではなく従業員側に分散します。締め全体をどう短縮するかは締め作業を3日から半日に短縮する方法で工程ごとに分解しています。

申請から承認までの流れ

  1. 従業員が自分の勤怠を確認する。スマホの画面で、読み取られた自分の勤怠が日ごとに表示されます。
  2. 違う箇所を選んで申請する。正しい時刻と、なぜ違うのか(押し忘れ、記入の間違いなど)を入力して申請します。
  3. 承認者が内容を確認する。管理画面の承認待ち一覧に申請が並びます。元の値と申請された値を見比べて判断します。
  4. 承認すると勤怠データに反映される。承認された内容で勤怠が更新され、実働時間や残業などの計算もあわせて自動で再計算されます。担当者が電卓で直す必要はありません。
  5. 却下もできる。内容に疑問があれば却下できます。却下された記録も残ります。

承認できる人を絞り込む

承認できるのは、権限を持つアカウントだけです。一般の従業員アカウントでは、自分の申請を自分で承認することはできません。誰が承認できるかは設定で絞り込めるため、「勤怠の承認は総務部長のみ」といった運用も組めます。

店舗や拠点が複数ある場合、拠点ごとの管理者が自分の拠点の申請だけを見て承認する形にもできます。本部にすべての承認が集中して滞る、という状態を避けられます。

修正の記録が残る

労働時間の記録は、法令上、一定期間の保存が必要です。修正した場合は「いつ、誰が、どの値をどう直したか」がたどれる状態にしておくことが望ましいとされています。担当者が口頭で聞いて直接書き換える運用では、この経緯が残りません。

申請と承認を通す形にすると、申請内容・理由・承認した人・承認した日時がデータとして残り、修正された記録であることも識別できます。労働基準監督署の調査や、後から労働時間について確認が必要になった場面で、経緯を示せる状態になります。保存期間の考え方は労働時間の客観的把握義務とタイムカードで解説しています。

申請に気づく仕組み

未処理の申請は、管理画面を開いたときに承認待ちの件数として表示されます。件数が出ていれば処理が必要、ゼロなら滞留がない、とひと目で分かります。

なお、現時点では申請時にメールやプッシュ通知は送られません。締めの前や週の初めなど、管理画面を開くタイミングを決めておくと処理漏れを防げます。申請が溜まっていないかの確認は、画面を開くだけで数秒で済みます。

よくある質問

従業員が申請した時刻がそのまま勤怠になってしまいませんか?

なりません。申請はあくまで「こう直してほしい」という依頼で、権限を持つ承認者が承認して初めて勤怠データに反映されます。承認前の申請は勤怠にも集計にも影響しません。内容に疑問があれば却下でき、その記録も残ります。

承認すると残業時間の計算もやり直されますか?

やり直されます。承認された時刻をもとに、その日の実働時間・残業・深夜などの区分が自動で再計算され、月次の集計にも反映されます。担当者が影響範囲を追いかけて手作業で直す必要はありません。

締めたあとに修正が必要になった場合はどうなりますか?

締め後の修正が必要な場合も、申請と承認の流れで対応できます。ただし給与の支払い済み期間にさかのぼる修正は差額精算が発生するため、社内の運用ルールとして、いつまでの申請を受け付けるかを決めておくことをおすすめします。

この記事のまとめ
  • 打刻漏れ対応で時間を食うのは入力ではなく「連絡して返事を待つ」工程
  • 本人が申請する形にすると、担当者の作業は5工程から承認1工程になる
  • 承認すると勤怠が更新され、残業などの計算も自動で再計算される
  • 申請内容・理由・承認者・日時が残り、修正の経緯をたどれる

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