タイムレコーダーが突然動かなくなったり、印字がズレたりすると、毎日の勤怠管理がストップしてしまいます。「修理すべきか、新しい機械に買い替えるべきか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、タイムレコーダーが故障した際の応急処置から、修理・買い替えの費用比較、さらには「紙のタイムカードを使い続けながら集計を自動化する」という選択肢まで、中小企業の労務管理の視点で分かりやすく解説します。

故障のよくある症状と当面の応急対応(手書き記録で凌ぐ)

タイムレコーダーの故障でよくある症状には、印字が薄い・ズレる、カードが吸い込まれない、液晶が表示されない、時刻がズレるなどがあります。

万が一、タイムレコーダーが完全に壊れて打刻できなくなった場合、当面は「手書き」による記録で凌ぐ必要があります。労働基準法第108条と同法施行規則第54条は、労働日数・労働時間数(時間外・休日・深夜の各労働時間数を含む)を労働者ごとに賃金台帳へ記入することを使用者に義務づけています。始業・終業時刻そのものの確認と記録については、次のガイドラインが取り扱いを示しています。

厚生労働省が定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日策定)では、原則として客観的な記録(タイムカードやICカード等)による把握を求めています。もしタイムレコーダーの故障等により客観的な記録が困難な場合の応急対応として、手書きによる労働時間の記録も認められます。ただし、単に従業員の自己申告に任せるのではなく、管理者が当日のうちにその手書き記録を確認し、内容が正しいことを承認・署名する等の措置を講じることで、ガイドラインに準拠した適正な管理が行われているとみなされます。

手書き記録は、打刻機による客観的な記録の代わりとして恒久的に使えるものではありません。あくまで復旧までの一時的な応急対応と位置づけ、記録の抜けや後追いでの書き足しが起きないよう、その日のうちに本人と管理者が確認する運用にしてください。

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日策定)に沿って、故障時の手書き記録であっても、管理者の承認印や署名などの客観的な確認記録を必ず残すようにしてください。個別具体的な労務管理の運用については、社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

手書き記録の注意点

従業員の自己申告だけに頼る手書き記録は、実際の労働時間と乖離が生じやすく、労働基準監督署からの指導や未払い残業代トラブルの原因になることがあります。客観的な把握義務を果たすためにも、必ず管理者がその日のうちに内容を確認し、確認済みの署名や承認を行う対策を講じてください。

まず確認: メーカーの修理サポート期限

タイムレコーダーの修理を検討する際、最初に確認すべきなのがメーカーの「修理サポート期限」です。

メーカーにより部品保有期間は異なるため、必ずメーカー公式サイトの『修理対応期間』を確認してください(※メーカーや機種により異なります)。この期間を過ぎている場合、メーカーに修理を依頼しても「交換部品がない」という理由で修理を断られるケースがほとんどです。

まずは使用しているタイムレコーダーのメーカー名と型番(本体の背面や底面に記載されていることが多いです)を確認し、メーカーの公式ホームページでサポート対象の商品であるかを確認しましょう。すでに生産終了から何年も経過している古い機種の場合は、修理という選択肢自体が難しく、買い替えや別方式への移行を前提に検討を進める必要があります。

修理サポート期限の確認手順

  1. 型番の確認タイムレコーダー本体の背面や底面にあるラベルで、メーカー名と型番(モデル名)をメモします。
  2. 公式サイトの確認メーカーの公式ホームページの「サポート」または「生産終了品一覧」ページを開きます。
  3. 部品保有期間の確認該当機種の「修理受付終了日」または「部品保有期限」が過ぎていないか、メーカー公式サイトの案内を確認します。

修理・同型買い替え・方式変更—費用3パターン比較

タイムレコーダーが壊れた際、対応策は大きく分けて「修理する」「同じような機械に買い替える」「ITシステムなどの別方式へ移行する」の3パターンがあります。それぞれの費用感や特徴をあらかじめ把握しておくことで、自社にとって最適な判断が可能になります。

メーカーに修理を依頼する場合、修理費用は出張費や技術料を含めると数万円に達することがあります。新品の本体価格(2〜5万円程度)に近づくこともあります。修理の見積額と新品価格を並べ、あわせてメーカーの部品保有期間(修理対応期間)の残りを確認したうえで、修理か買い替えかを判断してください。そのため、事前に見積もり額と新品価格を比較検討することが重要です。

同型のタイムレコーダーを新規に買い替える場合は、本体価格として約2万円から5万円程度(メーカー公表価格や実売価格による)が必要です。この場合、現在使用しているタイムカードやカードラックをそのまま流用できるメリットがあります。

一方で、PCやスマホから打刻する勤怠管理システムなどの別方式へ移行する場合、例えば「パシャ勤怠」であれば初期費用は0円、月額費用は従業員1人あたり100円(税別)のみで導入可能です。自社の予算や運用の手間を考慮して検討しましょう。

故障時の対応3パターンの費用・特徴比較

対応パターン初期費用(目安)月額費用特徴
メーカー修理メーカー規定による(出張費・部品代含め数万円〜)なし使い慣れた機械をそのまま使えるが、修理対応期限に注意が必要
同型買い替え2万円〜5万円程度なしカードやラックがそのまま使えるが、月末の集計作業の負担は変わらない
勤怠システム移行(パシャ勤怠の場合)0円100円 / 人(税別)集計業務は自動化できるが、打刻方法の変更について現場への案内が必要

買い替えのタイミングは集計方法を見直すチャンス

タイムレコーダーの故障は、単に新しい機械を買い替えるだけでなく、毎月の「集計作業」にかかっている目に見えないコストを見直す絶好のチャンスです。

紙のタイムカードを使い続けている企業の多くは、月末に回収したカードの打刻時間を、担当者が手計算したりExcelに手入力したりして集計しています。例えば、従業員が30人いる場合、1人あたりの集計や確認に毎月10分かかるとすると、全体で約5時間もの作業が発生します。時給換算すると、毎月数千円から数万円分の人件費がこの集計作業だけに消費されていることになります。

タイムレコーダーを新しく買い替えても、この月末の集計負担は一切変わりません。故障を機に、毎月の集計業務をどのように効率化できるか、業務プロセス全体を視野に入れて検討することをおすすめします。

紙カードのまま集計だけ変えるという選択肢

これまでの打刻方法を変えたくない、またはITツールに不慣れな従業員が多いため、紙のタイムカードでの打刻を続けたいという企業も多いでしょう。そうした中で注目されている選択肢の一つが、「紙のタイムカードでの打刻はそのままに、集計作業だけをデジタル化する」という方法です。

これは、従業員は従来通り壁掛けのタイムレコーダーで紙のカードに打刻し、月末にそのタイムカードをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、文字認識技術によって打刻データを自動で読み取り、集計を行う方法です。

この方法であれば、現場の従業員は新しい打刻操作を覚える必要が一切なく、管理者は月末の面倒な手入力や計算作業から解放されます。専用のICカードリーダーや従業員全員分の端末を用意する必要がないため、導入コストを抑えられるのが特徴です。

この記事のまとめ
  • 故障時は労働基準法に則り、手書きなどで適正に労働時間を記録し、管理者が確認・署名を行う
  • メーカーの修理サポート期限(部品保有期間)はメーカー・機種で異なるため、公式サイトでまず確認する
  • 修理、買い替え、システム移行の3パターンの費用とメリットを比較する
  • 紙のタイムカードの運用を変えずに、集計だけをデジタル化する選択肢を検討する

次の一手

タイムレコーダーの故障を機に、従来の紙 of タイムカードの使いやすさを残したまま、集計作業だけを劇的に効率化したいとお考えなら、スマホでタイムカードを撮影するだけで自動集計できる「パシャ勤怠」がおすすめです。初期費用は一切かからず、月額料金は1人あたり100円(税別)のみでご利用いただけます。従業員の打刻方法はこれまでの紙のままで、担当者の集計業務だけをデジタル化する選択肢として、ぜひご検討ください。

よくある質問

故障している間の勤怠記録はどうすればいいですか?

労働基準法第108条および厚生労働省のガイドラインに基づき、労働日ごとの始業・終業時刻を適正に把握する必要があります。故障時は応急対応として、紙やエクセル等に手書き・手入力で記録を行います。その際、単に従業員の自己申告とするのではなく、管理者がその日のうちに内容を確認し、承認・署名を行うことで客観性を担保する運用が推奨されます。

修理と買い替えの判断基準はどう考えればいいですか?

一般に、購入から5年以上が経過している場合や、メーカーの修理サポート期限が切れている場合は、買い替えまたは別方式への移行を検討するのが合理的です。部品の保有期間はメーカーや機種によって異なるため、対応期限は必ずメーカー公式サイトの修理対応情報でご確認ください。修理費用はメーカー規定によりますが、出張費・技術料を含めて数万円になる場合もあります。単に機器を買い替えるだけでなく、毎月の集計にかかる人件費を考慮し、初期費用なし、月額100円(税別)/人で集計を自動化できるシステムを導入する方が、長期的なコストパフォーマンスが高くなるケースが多いです。

修理と買い替えを判断するための具体的なチェックポイントはどこですか?

「メーカーの部品保有期限内か」「修理見積額が新規購入費用の半分を超えていないか」「現在の機器で月末の集計作業にどれだけの時間(人件費)がかかっているか」の3点です。修理して使い続けられたとしても、手集計による人件費コストが毎月発生し続けるため、集計負荷が高い場合はシステム移行を推奨します。

勤怠管理システムへ移行する際、現場の混乱を防ぐにはどうすればよいですか?

従業員の打刻方法を大きく変えないことが重要です。「パシャ勤怠」のように、従業員は従来の紙のタイムカードに打刻し、管理者だけがスマホで撮影して集計業務をデジタル化する方式を選べば、現場の従業員は操作を覚える必要がないため、混乱なくスムーズに移行できます。