タイムカードの集計と給与計算に毎月何時間もかかっているなら、社会保険労務士(社労士)への委託は現実的な選択肢です。ただ「顧問料に含まれるのか」「タイムカードは紙のまま渡していいのか」「いくらかかるのか」が分からず踏み出せない、という声をよく聞きます。この記事では、社労士に依頼できる範囲と費用の考え方、勤怠データの渡し方で費用が変わる理由、そして事務所の探し方までを整理します。

社労士に依頼できる範囲

社労士は労働・社会保険に関する国家資格者です。給与計算まわりで依頼できるのは、おおむね次の範囲です。

  • 給与計算の代行: 勤怠データをもとに支給額・控除額を計算し、給与明細を作成する
  • 社会保険・労働保険の手続き: 入退社時の資格取得・喪失届、年度更新、算定基礎届
  • 労務相談: 残業代の計算方法、休憩・休日の扱い、就業規則の整備
  • 法改正への対応: 割増率や社会保険の適用範囲が変わったときの実務反映

逆に、タイムカードの集計そのものは社労士の本来業務ではありません。多くの事務所は「集計済みの勤怠データを受け取る」前提で見積もりを出します。ここが費用を左右する分岐点になります(4章で詳しく触れます)。

顧問契約と給与計算の関係

混同しやすいのですが、顧問料と給与計算代行費は別建てが一般的です。

  • 顧問契約: 労務相談・手続き代行に対する月額。従業員数で段階的に決まることが多い
  • 給与計算代行: 顧問契約とは別のオプション。基本料+1人あたり単価という構成が多い

「顧問なのに給与計算は別料金なのか」と驚かれることがありますが、給与計算は毎月の締めがある実務作業のため、別建てが標準的です。見積もりを比較するときは、顧問料と給与計算費を合算した総額で見てください。

給与計算の費用相場

事務所や地域、業務範囲で幅がありますが、給与計算代行の費用は「基本料+従業員数×単価」で構成されるのが一般的です。

費用が上振れしやすいのは次のようなケースです。

  • 勤怠データが未集計: 紙のタイムカードをそのまま渡すと、集計作業分が加算される(または受けてもらえない)
  • 雇用形態が多い: 正社員・パート・変形労働制が混在すると計算パターンが増える
  • 締めから支給までが短い: 短納期対応は割増になることがある
  • 年末調整・賞与: 通常はスポットで別料金

見積もりを取るときは「従業員数」「雇用形態の種類」「締め日と支給日」「勤怠データの形式」の4点を先に伝えると、正確な金額が返ってきます。

タイムカードの渡し方で費用が変わる

ここが実務上いちばん効きます。同じ人数でも、勤怠データの渡し方で社労士側の作業量が大きく変わるためです。

  • 紙のタイムカードを郵送・持参: 事務所側で集計が必要。集計代行として加算されるか、断られることがある
  • 手書きの集計表: 転記ミスの確認作業が発生する。差戻しのやり取りも増える
  • Excel・CSVで集計済み: そのまま取り込めるため最も安く、締め後の処理も早い

つまり、集計を自社で終わらせてデータで渡せるほど費用は下がります。紙のタイムカードのまま運用している場合でも、集計だけを自動化してExcelで渡す形にすれば、打刻の運用を変えずに委託費を抑えられます。具体的な手順はタイムカードの自動計算から給与計算までで解説しています。

依頼する前に自社で決めること

社労士に丸投げできない(=自社で決める必要がある)のが、次の項目です。ここが曖昧なままだと、依頼後に何度も差し戻しが起きます。

  • 締め日と支給日
  • 労働時間の丸め方: 1分単位か、15分単位か(切り捨ては原則不可)
  • 休憩の扱い: 何分を自動控除するか、実績で取るか
  • 法定休日をどの曜日にするか: 割増率が35%か25%かを分ける
  • 手当の種類と支給条件: 通勤手当、資格手当、深夜手当の扱い

これらは就業規則と実態が一致している必要があります。曖昧な場合は、まず労務相談として社労士に整理してもらうところから始めるのが結果的に早道です。

社労士事務所の選び方と探し方

選ぶときの観点は次の4つです。

  • 対応エリア: 手続きは電子申請が主流のため遠方でも可能だが、対面相談を重視するなら近隣が安心
  • 業種の経験: 医療・介護・建設・飲食など、変則的なシフトの実務経験があるか
  • 受け取れるデータ形式: 自社の勤怠データをそのまま渡せるか
  • 料金の明瞭さ: 基本料・単価・スポット料金が事前に分かるか

パシャ勤怠では、給与計算を依頼できる社労士事務所を都道府県別に探せる一覧を公開しています。掲載事務所は当社が資格証書などの書類を確認したうえで掲載しており、料金の目安と対応エリアを比較できます。

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気になる事務所には、一覧に記載の電話番号・事務所サイトから直接ご連絡ください。当社は事務所の紹介手数料を一切いただいておらず、お客様と事務所とのやり取り・ご契約に関与しません。

まとめ

この記事のまとめ
  • 社労士に依頼できるのは給与計算・社会保険手続き・労務相談。タイムカードの集計は本来業務ではない
  • 顧問料と給与計算代行費は別建てが一般的。比較は合算した総額で行う
  • 費用は「基本料+人数×単価」。勤怠データを集計済みで渡すほど安くなる
  • 締め日・丸め方・法定休日・手当は自社で決める必要がある
  • 選ぶ観点は対応エリア・業種経験・データ形式・料金の明瞭さの4つ

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